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日経エコロミー

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4次元エコウォッチング(安井至)

スマートグリッドと日本の特技(09/11/11)

安井至(やすい・いたる)
独立行政法人 製品評価技術基盤機構 理事長、東京大学名誉教授。1945年東京都生まれ。東大工学部卒。環境科学(環境負荷総合評価、ライフサイクルアセスメント、環境材料、グリーンケミストリー評価尺度)を専門分野とし、日本LCA学会副会長などを務める

 オバマ政権が発足したとき、米国に大量の太陽光発電や風力発電を導入し、同時に、スマートグリッドという新しい電力供給網を整備することによって、電気自動車などを含めた総合的な電力利用効率を上げるというメッセージが流された。

 日本での反応は様々だった。まずは、スマートグリッドというものの定義がはっきりしなかったことが第一の原因である。加えて、電力会社は、こう主張した。「日本の電力網はしっかりしているが、米国のものは老朽化していて、停電したとき復旧に何時間もかかる。このような不安定な電力供給網を改善することが目的である。したがって、日本では不要である」。

 もともと、グーグルがスマートグリッドの導入の主導権を握りそうな状況だったこともあって、米国発のインターネット戦略の一つではないか、という観測も流れた。

 要するに、スマートグリッドは日本には無関係だ、といった雰囲気に支配されていた。 最近になって、やっと米国の狙いが見え始めて、日本としてもどのような反応をすべきかという見地から見直しを始める動きが出てきた。

 しかし、やや防衛的な反応が主体で、チャンスを見極めて日本の特技を活かそうという議論が不足気味のように見える。すなわち、スマートグリッドというキーワードに、もう少々戦略的に対応することを前提として将来を見据えると、どうなるのだろう。

1.米国のスマートグリッド最近情報

 スマートグリッドに関して、米国がどのような状況にあるのか、まずは、その情報源を探してみたい。

 過去のさまざまなメディア情報をまとめたブログが存在している。鈴木逸平氏によるブログであって、7月22日から始められている。

<br>出典・経済産業省資料<a href="/column/ecowatching/article.aspx?id=MMECcd000009112009&page=5"target="_blank">(クリックすると拡大します)</a>


出典・経済産業省資料(クリックすると拡大します)

 残念ながら、このブログにある資料は英文のみ。最初のころは、題名すら英語である。10月半ばから、題名のみ日本語になっているので、どのような話題が掲載されているかだけでも一見の価値がある。 

 やや古くなるが、市川類氏がまとめたジェトロからの報告書が、米国の状況を良くカバーしているように思える。

 ジェトロのニューヨーク便りの7月臨時号だから、6月までの情報がまとめられていると考えるべきだろう。

 いずれにしても、英文の資料や上記レポートで指摘されている最も重要なことは、「米国の電力網が旧式でかつ整備不良なため不安定で、日本の電力網とは違う」といった事実ではなく、実は、「今後、標準化がカギとなる」ということである。しかも、かなり多くの部分が、「IT(情報技術)面での標準化」を意味することである。実は、この標準化という言葉こそ、日本産業全体の、さらに言えば、IT関係産業のアキレス腱である。

 さて、日本の産業戦略として、何を目指すべきなのだろう。

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