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4次元エコウォッチング(安井至)

G8サミットの成果をどうみるか――長期目標が必要、中期目標はその次(08/07/16)

■中期目標が明示されなかったこと

 ポスト京都の枠組みの方向性を決める中期目標が決まらなかったことについて、期待はずれだという論評もあった。しかし、ポスト京都の枠組みは、2009年12月のCOP15で決まることになっている。場合によると、若干延びることも考えられなくはないけれど。

 ポスト京都の枠組みでもっとも重要なことは、インドのミッタル、中国の上海宝鋼集団公司のような国際的な製造業が、先進国の企業と同様の枠組みに参加することを確保することにある。そのために、日本はセクター別アプローチを綿々として提案してきている。やっと、G8でもその重要性が認識されたようだ。それ以外の枠組みは、まあ、自動的に決まるのではないか。

日本の地球温暖化対策「福田ビジョン」を発表、排出量取引についても言及する福田首相=9日、東京・内幸町の日本記者クラブ〔共同〕

日本の地球温暖化対策「福田ビジョン」を発表、排出量取引についても言及する福田首相=9日、東京・内幸町の日本記者クラブ〔共同〕

 日本のメディアは、排出量取引が重要であって、それさえ実現できれば、問題が解決するといった論説をしばしば書く。しかし、それは本質を見逃している。日本国内について言えば、排出枠(キャップ)をどのように掛けることができるかであり、その後の枠組みとして、排出権取引がある。

 日本国内でも、なんらかのキャップが実施されることは当然のことだろう。しかし、EU流のキャップだけでは、なかなか実効を発揮しないと思われる。なんらかの工夫が必要であることに間違いは無い。

 個人的には、日本の家電などのエネルギー効率向上に貢献した「トップランナー制度」のようなものが、世界的に実施できると面白いと考えている。しかし、適用できる対象はグローバル企業に限定されそうだ。

 国別のキャップについては、インドにしても中国にしても、まだまだ無理だろう。アジアであれば、韓国、シンガポールといったところからの参加が望まれる。特に、韓国は、省エネ技術開発で、日本と競争し、優れた技術開発とその普及に貢献できる国である。

 いずれにしても、今回の洞爺湖G8で、中期目標があまり真剣に議論された形跡が無いのは、当然のことだ。なぜなら、この時期には何も決まらないことが決まっていたのだから。

■「2050年半減」への途上国対応

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