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日経エコロミー

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温暖化科学の虚実 研究の現場から「斬る」!(江守正多)

人為起源CO2温暖化説は「正しい」か?(09/02/09)

江守正多(えもり・せいた)
1970年神奈川県生まれ。国立環境研究所地球環境研究センター温暖化リスク評価研究室室長。東京大学大学院博士課程修了後、97年より国立環境研究所 大気圏環境研究部 大気物理研究室に研究員として入所。01年より地球フロンティア研究システムにて地球シミュレータを用いた気候モデル研究に携わる。06年より現職。近著に『地球温暖化の予測は「正しい」か? 不確かな未来に科学が挑む』(化学同人)

 はじめまして、国立環境研究所の江守正多です。地球温暖化の将来予測の研究をしている研究者です。年末に日経エコロミーのインタビューを受けた勢いで、連載コラムを書かせて頂くことになりました。このコラムでは、実社会で話題になっていることを睨みつつ、地球温暖化研究の現場の研究者という立場から、温暖化科学の平易な解説を試みていこうと思っています。どうぞよろしくお付き合いください。

 今回は第1回目ということで、そもそも世間でこれだけ騒がれている温暖化という話は科学的に「正しい」のか、という問題を取り上げたいと思います。温暖化というのは、人間が排出する二酸化炭素(CO2)をはじめとする温室効果ガスが大気中に増えているせいで、地球が暖まっているという話です。

 しかし、みなさんご存じと思いますが、これと全く違う説を主張する学者が一部にいて、それがまた結構人気があったりするのです。そのため、何が本当なのか、よくわからなくなっている人も少なくないようです。いわゆる温暖化「懐疑論」というやつです(一緒くたにして言うとご本人たちはおこるかもしれませんが)。

 僕らはよく周りの人から「専門家としてあんなのを言わせっぱなしにしておいていいのか」といわれるのですが、これがまたなかなか対処が難しいのです。まず、懐疑論の中には健全な批判も含まれています。温暖化の科学でまだよくわかっていない点を指摘する議論や、メディアが温暖化を大げさに報道している点を指摘する議論などです。そういった話には僕らも真剣に耳を傾ける必要があると思っています。

 しかし、正直にいって、懐疑論の中には科学的な認識が明らかに間違っていたり、不勉強だったり、決め付けだったり、言いがかりだったりする部分も多いものです。

 だからといって僕らがいちいち目くじらを立てて反論すると、一般の市民からは単なる水かけ論に見えてしまい「ああ、やっぱり温暖化はまだよくわかっていなくて、論争状態にあるのだなあ」と思われてしまう危険性があります。相手が間違っているのに五分五分の論争だと思われるとしたら、僕らにとっては反論するだけ損ですよね。だからといって沈黙していると、今度は「専門家は傲慢で、市民に説明しようという姿勢を見せない」といわれてしまうわけです。どうです、難しいでしょう。

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