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日経エコロミー

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EU環境リポート・エコ先進地域の“素顔”(竹ヶ原啓介)

EU太陽光発電の急拡大(08/02/20)

竹ヶ原啓介(たけがはら・けいすけ)
鞄本政策投資銀行 公共ソリューション部 CSR支援室課長。1966年生まれ。一橋大法学部卒。土壌汚染やリサイクルなど環境ビジネス動向に関する調査、環境格付け融資制度の創設などに従事し、2005〜2008年秋まで2度目のドイツ勤務を経て現職

 国際エネルギー機関(IEA)の太陽光発電システム研究プログラム(IEA−PVPS)によれば、太陽光発電システムの累積導入量は現在世界全体で3696メガワット(MW)である(2005年のIEA−PVPS加盟国ベース)。97年の累積導入量がその10分の1にも満たなかったことを考えると、太陽光発電が僅かな期間に急成長を遂げてきたことが分かる(参照:図1)。

図1:太陽光発電システムの累積導入量 (出所)IEA−PVPS資料より筆者作成

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 期間による幅は大きいが、今後も2020年まで市場は年平均20%成長すると予想されている。

 この累積設置台数の構成から分かるように、太陽光発電システムの担い手は日本、ドイツ、アメリカの3カ国である。特に日本は2000年代の初期まで世界のほぼ半数を1国で占める太陽光発電大国であった。

■ドイツ、日本を抜き太陽光発電の世界一に

 これに対して近時伸張著しいのがドイツだ。2004年に年間設置量(MW)で初めて日本を抜いて世界一となった後、2005年末には累積導入量でも僅かながら日本を上回り、フロー、ストックの両面で文字通り太陽光発電のトップに躍り出ている(参照:図2)。ちなみに人口1人当たりでみても、ドイツ17.3W/人、日本の11.1W/人の2カ国だけが突出している。

 この日独逆転は、日本でもドイツでもマスコミの注目材料となり大きく報道されたのでご覧になった方も多いだろう。日本での報道はやや危機感を伴ったトーンで、かたやドイツでは「あの日本を抜いた」とかなり強気なトーンで、それぞれ対照的に報じられていたのが印象的であった。

 実際、ドイツ国内を移動していると、南部のバーデン・ヴュルテンベルク州やバイエルン州を中心に、太陽光発電システムが目につくようになった。また、太陽光発電事業に相次いで参入した新興企業群が市場拡大の波にのって業容を拡大し、このところ株式公開、新工場建設などが相次いでおり、まさに太陽光ブームとでもいえる活況を呈しているのが足元の状況である。

図2:日米独における太陽光発電システムの年間導入量推移 (出所)図1に同じ

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 こうしたブームを支えているのが、これまでみてきたEEGによる固定買取制度だ。特に2004年の法改正により太陽光に有利な買取価格が付与されたことが今日の拡大の大きな契機である。2006年現在の買取価格51.8セント/kWhは、通常電力の10倍、風力の買取価格の5倍の水準。これに、後ほど紹介する省エネを進めるための住宅の近代化支援の低利融資制度など様々な政策的な手当てが一体となって、足元の急拡大を支えているとみてよい。

 累積設置能力ではまだ目立たないが、現在ドイツに次いで急進しているスペインも同様だ。スペインは2005年〜2010年の再生可能エネルギー整備計画(the Renewable Energy Plan: PER)で400MWを新たに整備するという目標を掲げているが、足元で太陽光が急進し、2007年にはこの目標をクリアしそうな勢いだ。スペイン産業省は、これを受けて、国家エネルギー委員会に対してこの目標値を1200MWに改定するよう働きかけている。この急進の背景にあるのもフィードインタリフ制度であり、2008年9月末まで適用される現会計年度の買取価格は割高批判のあるドイツ並に高水準である。

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