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飯田哲也のエネルギー・フロネシスを求めて グリーン・ニューディール――オバマ次期米大統領が担う大変革への期待(08/11/12)
「Yes, we can !」。 米大統領選は、「change―変革」を掲げたバラク・オバマ上院議員(民主党)の圧勝となった。一部に予想外の展開を心配する声も聞こえたものの、ほぼ大方の予想とのとおりだったのではないか。 2008年11月4日。シカゴの大群衆を前にオバマ次期米大統領が行った勝利演説は、間違いなく歴史に残る名演説といえるだろう。冷笑や懐疑的な姿勢を排し、バラバラに分断され絶望に追いやられていた国民に対して、「われわれは成し遂げることができる」という希望の力を呼び覚まし、誇りを取り戻させ、人々を統合する言葉の力を持っている。 そのオバマ次期米大統領は、米国、世界、そして日本の環境エネルギー政策にどのような変化をもたらすのだろうか。勝利演説にも散りばめられているキーワードを読み取りながら考察してみる。 ■「ブッシュ以外誰でも!」から「変革の希望」へ 8年前の米大統領選挙の結果は、北欧から訪れていた環境エネルギー研究者たちと岩手の山中にいたのだが、ブッシュの勝利を聞いた全員が落胆したことを記憶している。その後、落胆どおりのことが起こった。 就任早々、カリフォルニアで電力高騰や停電騒ぎが起こっていたが、ブッシュ政権はこれを放置した。このカリフォルニアの電力危機は、ブッシュ政権の強力な支持者でもあったケネス・レイが会長を務めるエンロンが、抜け穴を利用して売り惜しみをしたことが原因だと後に判明している。しかも、本来、対策を取るべき連邦エネルギー規制委員会(FERC)にも、ブッシュの地元テキサス州で電力会社などを監督する公益企業委員会の元委員長で、エンロンにも近いパット・ウッド氏が委員長に就任しており、まったく対策を取ろうとしなかったのである。
京都議定書からも就任の最初の年に一方的に離脱し、その後も欧州がリードする地球温暖化対策への国際的な協力枠組みを分断し妨害する振る舞いが続いた。国際社会の支持をかろうじて取り付けて開始したアフガニスタン戦争、そして単独行動で突入したイラク戦争はいずれも泥沼化し、貿易赤字も財政赤字も史上最悪となった。ジミー・カーター元大統領、ドナルド・トランプ、ジョージ・ソロス、そして多くの米国歴史家が、すでに「史上最悪の大統領」という烙印を押している。宗教原理主義と市場原理主義を背負って登場したブッシュ政権が、アメリカ型資本主義とアメリカ社会を破壊し、皮肉にもブッシュ大統領その人が「大量破壊兵器」となった。 今年3月に米国政府主催で開催された「自然エネルギー国際会議」でワシントンを訪れた時に、「ABB」(Anyone but Bush !)(ブッシュ以外なら誰でも!)というスローガンをしばしば見聞きした。米国民の多くの「ブッシュ以外なら誰でもいい」という気分は痛いほどわかった。その後、大統領選挙の1週間前のデンバーで遊説に来ていたオバマの選挙集会に出くわしたのだが、10万人を超す人だかりで通りが1マイルにわたって埋め尽くされたほどの熱狂ぶりを見て、もはや「ブッシュ以外誰でも!」ではなく、オバマこそが「変革の希望」を担っていることが実感された。 ※ ご意見・ご感想はこちらのリンク先からお送りください。ご氏名やメールアドレスを公表することはありません。 「飯田哲也のエネルギー・フロネシスを求めて」最新記事
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