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2012年次世代車爆発――生き残るメーカーは(舘内端)

「トヨタF1撤退 F1消滅か」(09/11/24)

舘内端(たてうち・ただし)
自動車評論家。1947年群馬県生まれ。日大理工学部卒、東大宇宙航空研究所勤務後、レーシングカーの設計に携わる。1994年日本EVクラブ設立、現在も代表を務める

 トヨタ自動車は、8年におよぶF1グランプリへの挑戦から2009年をもって撤退することを表明しました。2位には入賞しましたが、とうとう優勝することなくF1界から去ることになったわけです。F1からはすでにホンダ、BMWが撤退しています。撤退を検討しているルノーも続くとなると、残るカーメーカーはメルセデスとフェラーリの2社になります。果たしてF1の存続は可能なのでしょうか。

 F1には、これまでに多くのカーメーカーが参戦してきました。これまでに参加したカーメーカーには、イタリア勢のフェラーリを筆頭に、英国勢ではロータス、ジャガー、フランス勢ではルノー、ドイツ勢ではメルセデス、BMW、ポルシェ、日本勢ではホンダとトヨタです。

 これほどまでに多くのカーメーカーが参加し、長く続いているモータースポーツは、F1のほかにはないでしょう。F1は世界最大かつ最高峰のモータースポーツといって過言ではありません。多くのカーメーカーが参戦する理由もそこにあります。ここで優秀な成績を上げることは、そのメーカーのブランドイメージの向上につながるのですから。

 中でも、フェラーリはF1の創設以来、長く参戦し、しかも大変に優秀な成績を収めています。今日のフェラーリのブランドイメージは、F1によって構築されたといってもよいでしょう。また、ホンダは第1次、第2次、第3次と、途切れ途切れでしたが、長く参戦してきました。ホンダのヨーロッパにおけるイメージ構築にF1は欠かせませんでした。

 戦前には、ヨーロッパにおいて現在と同じ各国をめぐる「グランプ・レース」と呼ばれる最高峰のモータースポーツが存在しました。メルセデス、フィアット、アルファロメオなど現代に続くカーメーカーも参加し、大いに盛り上がりました。

F1日本GPで鈴鹿サーキットのピットを訪れたトヨタ自動車の豊田章男社長(右)=10月4日、三重県鈴鹿市〔共同〕

F1日本GPで鈴鹿サーキットのピットを訪れたトヨタ自動車の豊田章男社長(右)=10月4日、三重県鈴鹿市〔共同〕

 ところで、世界初のモータースポーツと呼ばれるのは、1894年にパリ〜ルーアンで開催されたトライアルでした。第1回近代オリンピックがアテネで開催されたのが1896年ですから、(ヨーロッパにおける)モータースポーツの歴史は、オリンピックと並ぶほどに長いのです。ヨーロッパではモータースポーツが、日本でいえば大相撲のような国技として生活に溶け込んでいるといってよいでしょう。それだけに彼らには大変に愛着があるスポーツなのです。

 ヨーロッパの国技に、外国人として参戦するというのが、日本のカーメーカーのスタンスではないでしょうか。それだけに彼の地のレースのやり方=風習に慣れるなど、ヨーロッパのチームとは違った苦労があります。

 このような長い歴史と伝統のあるモータースポーツに参加することは、とくに日本のカーメーカーにとっては誇りあることなのです。参加することで学べ、培われることには高い価値があるのです。

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